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中国で歴史的記録を打ち立てたインド映画『Dangal』の衝撃

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『君の名は。』の大ヒットが記憶に新しい中国でまたしても歴史的な記録が打ち立てられた。

インド映画『Dangal』が非ハリウッド映画として初の中国興行収入10億元(約160億円)を突破した。

またしても世界の映画界に衝撃が走った。

中国興行収入10億元の偉業

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これまで中国で10億元を超えた作品は中国映画とハリウッド映画しか存在していなかった。
16年12月に中国公開された日本アニメ映画『君の名は。』は非中国、非ハリウッド映画ではトップとなる5.77億元(約93億円 1元=約16円)を記録し世界中の衝撃を与えた。

その衝撃もつかの間、インド映画『Dangal』が非中国、非ハリウッド映画では初の10億元を突破し『君の名は。』を大幅に上回る大記録を打ち立てた。

中国市場で10億元を突破した作品の一部を以下に挙げていく。

  • トランスフォーマー4(2014 アメリカ/中国) 19.77億元
  • アベンジャーズ2(2015 アメリカ) 14.64億元
  • ジュラシックワールド(2015 アメリカ) 14.21億元
  • 煎饼侠 A Hero or Not(2015 中国) 11.60億元
  • 捉妖记 Monster Hunt(2015 中国) 24.39億元
  • グレートウォール(2016 アメリカ/中国) 11.75億元
  • 湄公河行动 Operation Mekong(2016 中国)11.84億元
  •  功夫瑜伽 Kung Fu Yoga(2017 中国/インド) 17.43億元
  • キングコング:髑髏島の巨神(2017 アメリカ/中国) 11.61億元


ちなみにジャッキー・チェン主演の中国・インド合作による『Kung Fu yoga(カンフーヨガ)』が17億元を突破している。
しかし、これは中国との合作であり、ジャッキー・チェンという大スターが主演しているため事情は特殊だと言える。

『Dangal』はディズニーと主演を務めたアーミルカーンのプロダクションが製作しており中国企業による出資は無いようだ。

中国市場が変化している?

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世界的にヒットしたインド映画『バーフバリ伝説誕生』は中国で大コケしたため、個人的にインド映画は中国でヒットしないのでは?と考えていたが、そういうことなかったようだ。

『Dangal』はレスリングを主題としたスポーツ作品。夢破れたもとレスリング選手の父が娘に夢を託すという物語のようだ。世界的な評価も高い。

本作の公開初週は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』に押され2位発進だったが、2週目は公開館数も増え1位にとなった。
3週目も1位となり、ついには10億元を突破した。
現在は『ガーディアンズ~』を大きく突き放している状況だ。

宇宙人が出てくるわけでも、ヒーローが出てくるわけでも、激しいアクションがあるわけでもない、家族愛を主軸とした作品が10億元を突破したのだ。
中国企業の出資と中国要素も皆無だ。

中国ではこれまでアクションやSFが好まれる傾向にあった。
しかし、本作にはその要素は無い。(レスリングがテーマなのでアクションといえばアクションと言えるかもしれない)
中国の観客が好みそうな要素がないにも関わらず、歴史的な記録を打ち立てたのだ。

これ中国市場が明らかに変化している証だと思える。
ただ単純に良い物を作ればヒットする、そういった市場へ変化しているのだろう。

中国要素が皆無だった『STAND BY ME ドラえもん』、『君の名は。』のヒットと、『Dangal』の歴史的ヒットにより中国市場での成功に中国要素は不要だということが決定的になったと言える。

(ハリウッド映画で中国要素が多く見られるのは、企画段階から中国企業が絡んでおり、中国要素を盛り込まなくてはならない状況へと追い込まれていることが多いことを伝えておきたい。また単純にハリウッドが中国受けを狙っているだけの場合もあるが…)

中国とインドは映画の共同製作協定も開始されており、今後は中国でのインド映画公開の増大と浸透の拡大が予想される。

混迷を極める市場獲得合戦

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中国、ハリウッドの二強だといわれてきた中国市場。
日本が5億元突破作品を2作も送り出し、中国市場での第三極になるかと思われた。


しかし、ここにきてインド映画が10億元という偉業を成し遂げた。
中国でシェアの高い3DやIMAXでの公開は無く、純粋な2Dのみで偉業を成し遂げてしまった。(3DやIMAXであれば客単価が上がるため興収も増大する)

これからの中国市場は中国、ハリウッド、日本、インドによる四つどもえの戦いになるかもしれない。

また、何かの拍子に四カ国とは全く別の国の作品が記録を打ち立てる可能性もはらんでいる。中国市場はそれほどの未知に溢れているのだ。

市場獲得合戦はより混迷を極めるだろう。

実写日本映画に光明

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中国でヒットした日本映画は2作品ともアニメだ。実写で5億元を突破した作品は未だない。

インドの『Dangal』は実写であり、これまで中国人が好むとされてきたSFやアクションの要素はない。家族愛をテーマにした作品だ。

『Dangal』のヒットは実写日本映画に可能性を与えたと言える。

無理に大作映画を作らなくてもよいからだ。
良いものを作ればヒットする市場であることが証明された。

怪獣やロボットを出したり、大爆発を伴うアクションや宇宙人が侵略してくる必要はない。

これまで中国でヒットしてきた作品は中国で人気のスターが登場し、ハリウッド映画の場合はビッグバジェットによる大作映画ばかりだ。
しかし、中国市場では中国の恋愛映画がヒットし始めている。
ヒットのために大作であることは必要なくなってきたのだ。


『Dangal』の予算はIMDBによると7億インドルピー(日本円約12億円 1インドルピー=約1.7円)だ。

Dangal (2016) - IMDb

日本映画からすると12億円は高予算の部類にはいるが、中国映画はこの倍近い製作費を投入するようになっている。ハリウッドになるとこの10倍、20倍の予算を投入することもある。

中国やハリウッドと比較すると『Dangal』の予算はまだまだ少ないほうだと言えるのだ。

つまり、この歴史的ヒットは高予算をかけられない日本映画に光明と言える

日本はアニメ映画2作品のヒットで中国でのヒットに中国要素は必要ないということを証明し、そしてインド映画がその証明を確固たるものにしたのだ。

実写日本映画でヒットした作品はいまだない。しかし今後は中国市場で成功する作品が登場する可能性は大いにあるだろう

『Dangal』のヒットは日本のみならず世界中に希望を与えたのだ。

まとめ


中国、ハリウッド、日本、インドという四大国が中国市場で熾烈な戦いを繰り広げ始めた。
この巨大市場は今後どうなるのだろうか。注目していきたい。