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僕たちの世界はドラえもんの未来に追いつけないのかもしれない

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こんにちは@Sanyontamaです。

ある蒸し暑い夏の朝、冷蔵庫が壊れた。幸いにもクーラーボックスを所有していたおかげで、一日ぐらいはしのぐことは出来る。冬ならまだしも夏場に壊れるとは思ってもいなかったので、困り果てた僕はヨドバシの通販サイトにアクセスすることにした。
冷蔵庫なんか消費電力ぐらいしか差がないだろうと思っていたし、家電なんか使えればいいと考えていたので、これまで使用していたものと同程度のサイズを注文する。

僕はヨドバシカメラのお世話になっている。
漫画やおもちゃなんかは基本的にヨドバシで購入している。ポイントもつくし、何より注文した当日に届くからだ。ヨドバシカメラは頭がおかしい。朝頼めば夜には到着してしまうからだ。
これまでは小物類しか注文したことがなかったので、さすがに家電が当日届くことはないだろうと考えていた。
二日ほどはクーラーボックスでしのぐしかないかと考えていたので、コンビニで氷を購入して食品をキンキンに冷やすことにした。

だけど冷蔵庫は注文当日の夜にやってきた。朝頼んだものが夜にやってくる。撤去と設置もしっかりと行ってくれたのだから、やはりヨドバシカメラは頭がおかしいとしか思えない。

さて、皆の人気者アマゾンがPrime Nowで特定地域に1時間で配送するサービスを始めたらしい。
サービス対象エリアであれば(配送料は取られるけども)注文から1時間で品物が届くらしい。
注文すると配送センターの従業員が倉庫内にある商品を紙袋に入れつつピックアップしていくようだ。往来のように一度商品を集めてから梱包するのではなく、梱包しながら商品を集めることで時間を短縮するとテレビで放送されていた。1時間で到着とは頭がおかしいを通り越して狂気の沙汰だ。そんなに急いで何が欲しいのだろうと考えたけれど、急を要することって大体は予期せぬ事態なのだから、思考を巡らせても何一つ浮かばなくて当たり前なのだ。

ところで、海外通販を利用した経験を持つ人はどれほどいるのだろうか。
クレジットカードさえあれば、アメリカやイギリスのアマゾンから漫画やブルーレイなどが購入できる。ebayを利用することも出来てしまう。
海外通販といえば注文してから半月以上待たなければ品物が届かない事がある。忘れたころに届くので「僕は何を注文したっけ?」と一瞬考え込んでしまうこともしばしばある。少し考えると「ああ、あれか」と思い出す。自分がボケてしまったのかと思うほど、時間をおいて到着するのが海外通販というものだった。
だけど、最近は海外通販も気がくるっている。とあるサイトでカメラ用品を注文したら3日ほどで到着した。今までは最低でも1週間ほど待つ必要があったのに、いつの間にかこんな短時間で到着するようになってしまった。
一体、どんなシステムを使えば3日で到着するのだろう。アメリカから購入したはずなのに、いくらなんでも早すぎやしないか。
僕のちっぽけな頭でどう考えても考え付かなかった。今の時代はよほど高度な物流システムが構築されてしまっているようだ。

ドラえもんの未来が目の前にある

狂気なほどの早さで品物が届く。ある時、ふととある漫画が天田に浮かんだ。
それは日本人なら誰もがしっている「ドラえもん」だった。
ドラえもんの劇中には未来デパートという通販が登場する。
この未来デパートにも商品を瞬時に届けるシステムが存在している。ヨドバシやアマゾンの配送が異様に早いのを体感していると、未来デパートを連想せずにはいられなかった。

ドラえもんは2112年の未来からやってきた。その未来では現物を見ずに商品を注文してすぐに届くシステムが構築されていた。
僕たちが暮らしている2016年の世界には似たシステムが既に存在している。今だって現物を見ずに商品を購入しているし、未来デパートよりは遅いけれども注文した当日に到着してしまうのはドラえもんの未来に限りなく近いと言える。
もしかすると2112年を待たずして未来デパートが完成してしまうのかもしれない。日本でもドローン配送が検討され始めているし、更なる短時間で商品が到着する未来がやってくるかもしれない。

それは目に見えない真実

でも、ふと考えてしまう。
配送センターの人々は一体どんな速度で働いているのだろうかと考えてしまう。
家電製品ですら当日配送と設置をしてくれるのだ。配送センターの従業員たちは一体どんな労働を強いられているんだろうかと想像してしまう。僕たちが予想しえないほどの過酷な環境になっているのかもしれない。

2013年にBBCがアマゾンの配送センターに潜入取材した記事を公開していた。

Amazon workers face 'increased risk of mental illness' - BBC News

記事によると商品を探すための制限時間が決められているらしい。
まるで自分が機械に思えてしまうと語っているけれど、便利さの裏ではこんな闇も存在しているみたいだ。

僕はとある運送会社の倉庫で仕分けのバイトをしたことがあったけれど、時間制度なんかは存在しなかった。ただ次々と荷物が来るので走り回る必要はあったし、すべて手作業だったからかなりの重労働ではあった。
もしかすると今では環境が激変しているかもしれない。なんでもかんでも1時間や当日で到着するのだから、配送センターなんかは殺気立っていることは予想できてしまう。

便利さの裏で過酷な労働に身を投じている人がいる。完全に機械化されるまでこの過酷さが続いていくんだろう。
僕たちは便利だから通販を利用する。家に居ながらなんでも注文できるシステムは子どもの頃に想像した未来そのものだけど、その豊かさの裏には闇が存在しているのだ。僕たちはその深淵を覗くことは出来ない。そもそも覗くことをしようとすらしないのだ。
だからこそたまには思いを巡らせてほしい。光の裏には闇が存在することを肝に銘じてほしいのだ。

だけど、これからもずっと通販を利用してしまうのだろう。だって便利だからだ。
家でコーヒーを片手にスマホやPCで商品を眺めて、何も考えずに購入する。購入が完了すると僕たちのしらない場所で闇がうごめき始める。

僕たちはドラえもんが居た未来のような、皆が幸せになれる世界を思い描いていたけれど、現代においては絵空事のようだ。やはり、2112年になるまで世界は変わらないのだろうか。
いや、2112年になっても今と何ら変化のない世界が存在しているかもしれない。

僕たちの世界は確実にドラえもんの未来に追いつき始めている。だけどそれは形だけであり理想はドラえもんの未来と逆の方向に、言ってしまえば過去へと走り出している気がしてしまう。世界はディストピアへと向かっているのかもしれない。
僕たちはいつまでたってもドラえもんの未来に追いつけないのかもしれない。何百年もかけて世界を変化させていく必要があるんじゃないのか?
確かにドラえもんの未来は目の前に存在しているのだけど、今はそれを掴むことが出来ない。どれほどの速さで世界を変えていけば、ドラえもんの未来に追いつけるのだろう。

便利な世の中とは一体何だろう。僕たちはどんな未来へと向かっていきたいんだろう。
それが分からないまま、僕たちは今日も通販を利用してしまう。