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ゴジラはおっさんの物なのか? 『失われた10年』と『ゴジラを取り巻く現状』を考える

特撮・怪獣映画

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こんにちは@Sanyontamaです。

ゴジラと言えば日本を代表するキャラクター。ハリウッド・ウォーク・オブ・フェームにも日本のキャラクターとして唯一登録されています。
今年の7月には12年ぶりとなり国産新作映画も公開予定。
庵野秀明総監督、樋口真嗣監督兼特撮監督。石原さとみ、竹野内豊など豪華な面々が顔をそろえる「シン・ゴジラ」ですが、これがどうにもヒットする未来が見えてこないのです。
2014年のレジェンダリー版ゴジラ並みにヒットすれば御の字だと思えるほど、国産新作には不安しかないのです。

ゴジラファン年齢層のイメージとは?

東宝もゴジラを盛り上げようと頑張っていますが、そもそもゴジラが好きな人はどのような年齢層なるのかと疑問になりました。
今の子どもたちはゴジラに触れる機会が90年代に比べると少なくなりました。2004年から2014年までの間はゴジラの新作が存在していなかったため、この期間に自らの意思でゴジラへ触れた子どもたちはかなりの少数派と思われます。

親がゴジラが好きだから自然と一緒に見るようになったというようの、親によるある種の布教活動的なものがなければゴジラに触れる機会がないのです。
これってかなりヤバイ状況なんじゃない?と思いTwitterでアンケートを行いました。

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142票と少ない数字ですが、ゴジラの今が分かる結果ではないでしょうか。投票者の年齢を知りたいのですが、Twitterアンケートではアカウント名すら分からないのでこれ以上の調査は困難です。
昔からゴジラ映画は子どもの物というイメージがありますが、実際の意識調査では40代からのいわゆる「おっさん」の物と言う結果になりました。幼児や10代はゴジラを観ないと思われているのです。

次いでこのようなアンケートも行いました。怪獣を好んでいる年齢層のイメージ調査です。

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子どもは怪獣が好き。そういう風に考えていた時期が、俺にもありました。
63票の少なさですが、怪獣自体「おっさん」の物だと捉えている人が多いようです。

両アンケートとも予想していた通りの形になったのも、シン・ゴジラへの不安を増大させる結果になりました。

 

失われた10年

ゴジラシリーズは2004年のゴジラファイナルウォーズで一旦終了しました。その後は特に目立った活動もないまま時間だけが経過。14年7月にハリウッド版が公開されるまで10年もの間眠り続けていたのです。

この10年は90年代から00年代初頭のように子どもたちがゴジラに親しむ期間を失った形になります。
95年のゴジラVSデストロイアで平成シリーズが終了し、99年のミレニアムまでブランクが明く形になりました。しかし、98年にはイグアナゴジラが登場するなど、ゴジラという名は脈々と受け継がれてきたのも事実です。

しかし2004年から2014年の間は海外版もなければ国内新作もない。テレビ放送もCS以外では行われていないという状況になっています。00年代に生まれた子どもがゴジラを知る機会がほとんどない状況になっているのです。一けた年齢の子どもは14年になるまでゴジラを知る機会がなかったわけです。

ゴジラを取り巻く現状

そもそも怪獣映画という物自体が珍しくなった昨今。
90年代は、ほぼ毎年1本のペースで怪獣映画が公開されていました。平成ゴジラに平成ガメラ、それにトライスター版ゴジラ。毎年何らかの怪獣映画を見れるという流れは04年までほぼ途絶えることなく継承されていきます。
しかし2006年の小さき勇者たちガメラ以降はメジャーな怪獣映画は途絶えてしまいます。ギララが復活したこともありますが、こういうのは怪獣ファン向けの物に思えるので、次世代を担う子どもたちの目には届かなかったのでは。

14年のゴジラまで怪獣映画を見たことがない子どもたちが存在している可能性があるのです。一桁年齢の子どもたちは怪獣映画というジャンルをどう感じているのでしょうか。
自分たちが生まれる前の作品だから、自分より年上の人が好むものと思っている可能性もあります。
子どもは怪獣が好きだと言っても、実は大人の思い込みと言う可能性も否めないのです。

でも、ウルトラシリーズで怪獣に親しんでいるじゃないか?と思うかもしれません。
ウルトラマンなら確かに子どもが見る物ですし、今でも根強い人気を誇っています。ですがほとんどの子どもたちはウルトラマンというヒーローが好きであって、怪獣と言う物にはそこまで食指を伸ばさないのかもしれません。
怪獣はヒーローと戦う物だから、怪獣対怪獣という構図には違和感を覚える子どもがいてもおかしくはないはずです。
ウルトラマンが好きな子供は仮面ライダーや戦隊ものに手を伸ばすことはあっても、怪獣同士が戦うゴジラシリーズに手を出すのは難しいように思えます。

ウルトラ怪獣が好きな人は人間的な面を持つからという意見もTwitterで頂いたので、確かにこれはゴジラシリーズではあまり見られない点だと納得しました。
そう考えると、同じ怪獣であってもゴジラとウルトラ怪獣は別物に思えるのです。ウルトラ怪獣が好きだからゴジラも好むだろうという考えは通用しないのかもしれません。

トトガメラから数えると8年間は怪獣が不在になっています。子どもたちは怪獣を聞くとウル トラマンを連想するでしょうし、怪獣映画と聞いてもピンと来ないかもしれません。幼少期に怪獣を見る機会がなかった子どもたちは、怪獣を自分たちの物とは 思えず「大人の物」と認識している可能性も考えられます。

王・長嶋ってスーパースターだったんだぜ。なんて力説されても「おっさんにしてみるとそうなんだろうね」としか思えません。若者は王・長嶋の凄さはわかるものの、二人の活躍をリアルタイムで見たわけではないので、自分たちには馴染みがない。親近感がわくことはないので「おっさんたちのスター」と思ってしまいます。子どもたちが怪獣を見る目はこれと同じなのではないでしょうか。
89年から04年までは、ほぼ毎年1本怪獣映画が公開されていました。しかし06年から14年の間まで怪獣映画は途絶えています。その間に仮面ライダーやウルトラマンが再熱しました。強大なブランドからゴジラへ興味を向けることはかなり至難に思えます。

レジェンダリー版はヒット作だったのか?

2014年のレジェンダリー版ゴジラは32億円、動員は218万人のヒットになりました。これは14年の洋画興行成績では4位の位置づけになります。

http://www.eiren.org/toukei/img/eiren_kosyu/data_2014.pdf

98年に公開されたトライスター版ゴジラは興収が51億円で360万人を動員しました。

レジェンダリー版はトライスター版に比べると興収、動員ともにダウンしている結果になります。
そもそも、レジェンダリー版は3DとIMAX版が公開されていたので、興行収入に関してはある種の水増し的な点があったことも特筆すべきかと思われます。
付加価値なしで純粋に公開したトライスター版は51億円だったのに対し、レジェンダリー版はかなり水増し度が強い気もします。

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ゴジラは04年から10年間も途絶えていたこともあり、レジェンダリー版が失敗すれば今後ゴジラの新作を拝むことが出来なくなるという不安がファンに存在していたのも事実。私の周囲では複数回鑑賞した人もいました。二桁回数鑑賞した人もいたほどです。それほど危機感が強かったわけです。
ゴジラファンがの買い支え、3DとIMAX版による料金の増額。それらの要素が重なり合っても32億円にとどまったことから、レジェンダリー版は純粋の「大ヒット」と言えるのか疑問に思えます。それらの要素を差し引いたら興行収入は一体どうなるのでしょうか。
3D版もないトライスター版のほうが、数字の面では純粋に「大ヒット」なのでだと思えるほどです。(字幕版と吹き替え版の2パターンは存在しましたが)

観客の年齢層やリピート回数などの要素は詳しくわかりませんが、レジェンダリー版は次世代を担う子どもたちが劇場に足を運んだのだろうかと疑問になります。
レジェンダリー版は純粋に大ヒット作と捉えていいのか、私には疑問に思えるのです。

「シン・ゴジラ」の行方

7月29日に国産最新作「シン・ゴジラ」が公開されます。12年ぶりの日本ゴジラということもあり、ファンは既に沸き立っている状況。
久々の本家ゴジラですが、やはり不安要素があります。それは「ヒット」するのか否かと言う点です。

本作はレジェンダリー版公開以前から始動していたプロジェクトなので、東宝も力を入れていることが伺えます。これまでとは異なり、アニメから人材を引っ張ってくるという点も話題性が高く、既に様々な声が飛び交っているほど。

庵野秀明氏が「エヴァ」を作らずにゴジラを作るという点も話題性があります。
そのような話題性がヒットにつながるか否か不透明です。エヴァQは52億円の興収を記録していますが、これはエヴァの新作だからできたことなのではと個人的に考えています。
エヴァQを見た人がゴジラを観に来るのかと考えた場合、疑問符が浮かぶのです。庵野秀明のネームバリューと、エヴァ作らずにゴジラかよ、という話題性がどこまで通用するのか全く分からないのが不安です。
出演者の神通力もどこまで通用するのかも分かりません。

それに今回のゴジラはハードな作風になる噂もあります。噂通りの作品だった場合は子どもたちが見たがるのかという不安もあるのです。14年のレジェンダリー版でようやくゴジラの存在を知った子どももいたはずですし、まだゴジラを知らない子供もいるはずです。そんな子どもたちをどう取り込んでいくのか。平成ゴジラシリーズがヒットシリーズになったのも子どもたちのファンが増えたからですし、ヒットさせるには子どもたちの力が必要不可欠です。
しかし、今判明している情報から察するとこれは子どもが見たくなる作品とは程遠いように思えるのです。

子どもたちが見に来なければ次世代のゴジラファンは途絶えてしまうことになります。やがてはゴジラの名が風化して新作が作られなくなり、本当に過去の遺物として歴史に一篇になってしまうのでは。

シン・ゴジラがはレジェンダリー版と同程度の興収を上げられれば御の字なのではないでしょうか。不安がつきません。怪獣が不在の期間があまりにも長すぎました。東宝は一体どうやってヒット作へと押し上げていくのでしょうか。本当に気になって仕方がないです。

ゴジラはどうするべきだったのか?

04年から14年の間、ゴジラは休眠。新作どころか玩具もまともに販売されていません。大人向けのフィギュアは多種多様に販売されていましたが、ショッピングモールの玩具売り場にあるようなゴジラのおもちゃはほぼ登場していません。

個人的には14年までの期間も何らかの形で子どもも購入できるゴジラグッズを販売しておくべきだったはずです。売れるか売れないかは関係なしに、ゴジラを認知させるという点では有用な手段に思えるのです。しかし、売れなければ意味がないのが商売ですから、このような手法は難しいのでしょう。

05年にゴジラファイナルウォーズが地上波放送。それ以降地上波でゴジラ映画が放送されることは稀有になりました。ほぼCSでのみ放送されていたので、大衆の目に付きにくい構造になっています。新聞のテレビ欄で「ゴジラVS~」の文字が躍ることのないので、ゴジラの名を目にする機会も減少しました。

やはり何らかの形でゴジラに触れる機会を作っておく必要があったはずです。
年にゴールデンタイムでゴジラ映画を放送しておく必要があったと思います。視聴率が取れるか否かは関係なく、ゴジラを受け継がせるためにも東宝は無理やりにでもねじ込んでおく必要があったとのでは。
地上波放送されているゴジラ映画を偶然にも見た子どもがファンになる可能性もあります。子ども以外の中高生や大人を取り込める可能性もあったわけです。地上並放送というのはそんな希望があったのですが、ゴジラはそれが出来なかったのです。結構な損失を生んだんのではと考えています。

映画が定期的に公開されているのであれば、CMや番宣で興味を持ってDVDをレンタルしてみるという行動に進むかもしれませんが、映画も何もない状態でゴジラを観たくなる人はどれだけいるのでしょうか。あまり多くないと思います。

東宝もようやく「ゴジコン」を設立してゴジラを発信していこうとしはじめました。ゴジラ訴訟などの問題はありましたが、もっと早くから行えていればレジェンダリー版はもう少しヒットしたかもしれません。そう考えると、東宝の行動は遅すぎたと感じます。

やはりゴジラアイランド的な5分間番組でも細々と放送しておくべきだったのではと。
今からでも遅くないので、子どもも楽しめるゴジラ番組なりを製作してテレビ放送してみるのもいいかもしれません。

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14年はゴジラ旋風が確かに吹いていましたが、それは台風のように去っていたように見えます。「そんなものもあったな」との空気が蔓延している気がします。
シン・ゴジラは旋風をどう取り戻すのか。ゴジラヘッドの登場など、様々な面で力を入れていますが、もっと全国的にゴジラの名を知らしめる行動が必要に思えるのです。

金曜ロードショーがレジェンダリー版を放送したのはかなりの効果があったはずでしょう。これからも定期的に映画を放送していく、様々な企業とコラボしていくなどの行動をする必要があるはずです。仕事を選ばないことで有名なハローキティさんのように。ゴジラさんも仕事を選ばずコラボしまくって再び認知度と知名度を押し上げるぐらいやっていいはずです。

シン・ゴジラは一体どのような成績を残すのでしょうか。ファンはヒットすることを祈るだけです。