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『花の詩女 ゴティックメード』から映画という物を考察する

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こんにちは。

@Sanyontama(さよたま)です。
 

FSS最新刊発売記念に。

 

「花の詩女 ゴティックメード」は未だにDVD/BDの発売予定が無い、昨今の映画作品としては稀有な存在となっている。

「4K+Dolby Atmos」という特殊なスペックであるためにホームメディアの発売が難しいという理由があげられる。

しかし、スペックを劣化させて発売させることも可能なわけだ。Dolby Atmosに関しては家でも再現が可能になっている。

ホームシアターを変える「Dolby Atmos」とは? (1/3) - ITmedia LifeStyle


このホームメディアでの発売がないという事実。つまり、この映画を見るためには「映画館」に足を運ぶ必要があるということになる。

その昔、映画という物は「映画館」でしか見れないものだった。
テレビの登場により放送という形で家にいても映画が見られる。時は流れVHSやLDの誕生により映画を家で見るという手軽さが向上。DVDやオンデマンド配信により手軽さは極致に達した。

そうして、昨今の映画作品は劇場公開から4か月ほどでDVD/BDが発売されるどころか、レンタルまで始まる始末だ。
そんな状況では「しばらく待てば家で見られるからいいじゃん」という層が現れるのも納得してしまうのだ。

しばらく待てばいつでも、スマホタブレットがあればどこでも映画が見られる現代において、ホームメディアを発売しないゴティックメードは「希少価値」という映画本来の意味を体現しているように思えるのだ。

 

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IMAXや4DXなど、家庭環境での実現が不可能もしくは困難に近い上映システムが登場している。映画館でしか味わえないという「付加価値」で勝負に出るなど、興行側も試行錯誤を行っている。

ゴティックメードは日本アニメでありながら4K作画とDOLBY ATMOSを実現した史上初の日本アニメ映画だ。。
4Kならばテレビやプロジェクター、DOLBY ATMOSもホームシアター分野に進出しており家庭でも再現が可能ではある。
しかし、大多数の人が資金という壁を前に断念せざるを得ないのが現状だ。
手軽に4KやDOLBY ATMOSを楽しむのなら映画館しかない。

15年現在においてゴティックメードのオリジナルスペックは家庭で再現することは困難だ。
そもそもBDはフルHDまでしか対応しておらず、4K配信サービスもこれからという状況では発売を見送るのという選択は正しいと言えるのかもしれない。

このホームメディアを発売しない点は、映画は映画館でしか見れないという昔の映画を再現しているように思えるのだ。
ゴティックメードを見るためには映画館に行くしかない。
仮にDVD/BDが発売されたとしてもオリジナルスペックで鑑賞することは難しい。見れればいいという層が存在しているのは確かで、そういった人々は手軽さなホームメディアを選ぶだろう。しかし、最高の環境を望む人は一定数いるわけだ。そういう人たちは劇場に足を運ぶだろう。


この「映画館でしか見ることが叶わない」という点に注目したい。これは前者の「見れればいい」という層ですら映画館へと足を運ばせる可能性があることを示唆しているのだ。
私は「この作品の技術的スペックが凄いらしい」という理由で鑑賞した。作品に興味がなくてもスペック面で興味を持つ人もいるわけだ。そういった人をも劇場へ向かわせる。

家で見ることができないから、劇場へ行くしかない。

つまり、昔の映画がここに再現されているということなのだ。これは希少性があるということである。


いつでもどこでも見れない、映画館でしか見ることのできない「希少価値」。
そして家庭環境では実現が難しい技術的な「付加価値」。
ゴティックメードの優れている点は、2015年という現代においてこの二つを満たしている点だ。

映画は映画館でしか見れない。それが映画が持つ本来の意義だ。

これからの映画は前者の価値が消え去り、後者の価値だけで勝負することになるの考えられる。
劇場公開から半年以内にホームメディアが発売されることが恒常化している現在。少しの期間を我慢すれば映画がいつでもどこでも、しかもそれほど高くない値段で購入して鑑賞することが可能だ。
そのような状況で映画館に人を呼ぶにはどうすればいいのか。
やはり「付加価値」という物が重要になってくるのではないでしょうか。

 

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IMAXのような大画面大音響。4DXのようなアトラクション型設備。4Kの高画質に、DOLBY ATMOSという高品質音響。
こういった設備の付加価値で人を呼ぶしかないのでは?
家庭では再現ができないから見に行く、という層は確かに存在するわけで実際に私もそういう考えを持っているために遠方の映画館に足を運んだりしている。
映画館でしか見れない、味わえないというのは一定の集客が望めるはずだ。


ゴティックメードのようにDVDも何も出ていない作品となると、集客も加速するわけだ。ファンが多いから、確実な集客が望める。


気になってはいるがDVDが出ていないから、映画館に(仕方なく)行くしかない。という流れを形成できる可能性を秘めている。劇場によっては4Kの高画質や、ATMOSのような高品質な音響で楽しめる。
映画館という素晴らしさを改めて実感させる機会にもなる。二重三重と効力を発揮する。意図せぬところで相乗効果を生んでいるのだ。

ホームメディアを発売しないというのは、いつでもどこでも映画が鑑賞できるようになった現代のシステムを逆手に取った方法。
さらに4KやATMOSというスペックを持たせている点もうまい。
映画館で見るしかないと思わせる作品として完璧と言える。

映画という物は映画館で見てこそだと強く思う。
必然的に「映画館へ行くしかない」流れを生み出しているゴティックメードは映画本来の意義を果たしている。

現代においては稀有な 作品。

映画は映画だ。

今後は映画を年に一本見るか見ないかという層へ、どのようにして付加価値を周知していくのかという点が課題となる。
未来の観客づくりはどのようにすればいいのか、実際に見えてこない。映画業界も苦慮する問題の糸口を簡単に見出すことはできない。

だが、まずは大人で1800円もする日本の映画料金を改定することが第一歩と常々思う。
映画は映画館で見てこそ意味を成すのだから。